余韻


両親が沖縄に帰りました。

昨年も両親が来たときにブログにいろいろ書いたら

人の事を面白可笑しく書くんじゃない!
私が変な人に思われるじゃないの!

と母親に怒られたので、いろいろと書きたいこともあったが控えようと思います。

ということで今日は土曜弓道礼法稽古ということで礼法について。

先週の殺陣の時間に簡単に正座からの礼の仕方を行いましたが、綺麗に見えるコツの一つは戻す動作をゆっくり行うことです。

心持ちとしては余韻を残す。

礼をした余韻を残しながら体を起こす。

体を起こしたあとも止まった状態で余韻を残す。

心を作ればそういう形になると思いますし、形を作ればそういう心になると思います。

すごく日本的な心形で、日本舞踊ではそれがよく表現され、美しく見える理由の一つだと思います。

例えば右に動くときには、体は右に動かしながらも顔と心は残し、最後に後ろ髪を引かれるように右を向いたり。

逆に西洋のバレエは首を先に向けて目標に向かって進んでいくような。

日常生活でも余韻を残すとお互い気持ちが良くなります。

お店を出たあとにこちらが見えなくなるまでずっと見送ってくれるのもすごく日本的だと思います。

因みに私の母はずっと琉球舞踊をやっていたので余韻を残すことが心身に入っているはずです。

帰る前日、どこでもいいので案内してくれと言うのでディズニーシーに行こうかと言うとそこは行かないと言う。

じゃあ浅草に行こうかと言うとそこは行かないと言う。

じゃあ明治神宮に行こうかと言うとそこは行かないと言う。

どこでもいいって言ったじゃないか!

その後も却下され続け、ようやくまだ行ったことがないという新宿御苑に決まった。

新宿のなかにこれだけの緑があり、都会で暮らす人にとっては憩いの場なのだが沖縄から来た人にとっては何て事のない場所なのだ。

いろいろ見どころがあるのだが、オールスルー。

今の時期の一番の見所のバラ園も完全にスルー。

父は写真を撮っているが、母はバレリーナのごとく顔だけ出口に向けている。

少し休憩を取ることにしてベンチに座ると次どこいく?ともう次の場所に顔を向けている。

せっかくここに来たのだからここで食事をしようとレストランに入ると、メニューで鹿肉を押している。

母は食べたことがないようで注文しようか迷っていると、父が

「しかまんけー」

と親父ギャグを言ったが方言なのでここでは伝わらない。

因みに父はよく親父ギャグを言う。

先日電話がかかってきて、今日は何していたんだ?と聞かれたので

今、柔術から帰ってきたところと言ったら

「柔術だけに充実しているね!」

と柔術あるある。

因みに母の電話の切り際は全く余韻がない。

自分が「じゃあ またね」と言うと、
私が「またね」と言う間もなく電話が切れる。

「ね」まで言えない。

「また」プーップーップーッとなる。

私が小さい頃から見ていた母の琉球舞踊は幻だったのか。

結局、三人とも鹿肉を食べた。

私は何度か食べたことがあるのだが、だいぶあっさり食べやすい味だった。

食べながらそれぞれの近況報告をして食事を終えると、終えた瞬間

さあ次行こうかと母が立ち上がった。

余韻を取れ!

1分でいいから余韻を取れ!

鹿肉の感想を言え!

一言でいいから鹿肉の感想を言え!

鹿で小話をしろ!

空港でゲートをくぐると振り替えることなく顔を沖縄に向けている。

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