礼法稽古


一汁三菜の稽古。

この稽古は食事の作法を学ぶのにとても良いのですが、なんせ足がきつい。

お客さん役になると一時間正座しっぱなし。

今回も一人お客さん役を決めることになって、先生が「お客さん役をなさりたい方はいらっしゃいますか?」と言うが勿論誰もいない。

因みにこの稽古に入ると人が減る。

「目の前で全部見れますので一番勉強になりますよ。」と言うがやはり誰も手を上げない。
勉強よりも足だ。

シーンとしているので「私がやります!」とノリ良く手を上げた。

そう、ダチョウ倶楽部を始めるように。

さあ誰か乗ってきてくれと思ったが、勿論そんな人はいない。

というわけで私がお客さん役に。

因みに順番を言うと、お茶、お菓子、吸い物善(お酒、お酒の肴)、本膳、二の膳、湯筒、お菓子、お茶の順番となります。

早速お客さん役になって正座をして時計を見ると7時5分。
8時に稽古が終るので55分間とにかくギブアップせずに最後までやろうと覚悟を決めた。

お茶が運ばれてきて飲んだ振り、お菓子が運ばれてきて食べた振りをする。
稽古なので中身はない。

二の膳が運ばれてきて時計を見ると30分位経過している。
順調に進んで足も大丈夫。
最後まで問題なさそうだと思ったが、ここから予想外の展開が始まった。

いつもご飯のお代わりもするのだが、新しく入ってずっと見学していた人が今日初めて実際にやってみることになった。

お代わりの入れ方は元々難しいのだが、この人全然できない。

最近私がブログで何度か見取り稽古の話をしていたにもかかわらず全然見取れていない。
1分で終るところが10分取った。
気持ちの動揺もあったのか一気に足にきた。

それでも何とかご飯のお代わりも終わって次は湯筒でその次はお菓子でお茶で終わりと思ったら、もう一人の見学の人に「汁のお代わりをやってみますか?」と言う。

ノーと言ってくれと思ったが勿論2つ返事。

その人も同じ。
私のブログを全然見ていない。
10分経過。

久し振りに脂汗が出てきた。

どうにか足の痛みを和らげようと微妙に持ち上げたりずらしたり伸ばしたりするが痛みと脂汗が止まらない。

それでもお味噌汁を飲む演技をしなければならない。
演技に集中できなくて監督にダメ出しされる。

そんな状況なのだが、食べている振りをしていたからかお腹が空いてきた。

足が痛くて脂汗を出しながらお腹も空いた。

初めての経験というか状況というか感覚というか。
この感情をカプセルに詰めて保存したい。
カプセルを渡してこの感情を誰かに体験してほしい。

もうとっくに約束の8時は過ぎている。

8時20分になってお茶を飲みほして、ようやく食事が終わった。

そして座布団から下りてお辞儀をして立ち上がる。

前回のお客さんは座布団から1歩も動けず苦痛の表情を浮かべていた。
それを見て皆で笑っていた。

今回は私の番だ。
ただ、足の傷みは凄いが動けそうな感覚がある。

座布団から下りてお辞儀をして立ち上がると左足が震えて力が入らなくなったので慌てて右足に力を入れると右足も震えて力が入らなくなった。
再び左足に力を入れると震えもおさまっていてちゃんと立てた。

一瞬のことだったので誰も気が付かなかったようですが、昔テレビで見たお葬式で引っくり返る状態が分かった。
立ち上がったあとに急に足の力が抜ける。

笑いは好きだが今回は笑いを取らずに良かった。

目の前で全部見れたがあまり記憶がない。

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