開放感


両親がまだ東京に滞在中なのですが、特に母親はよくこっちに来て妹の家に泊まり、妹もよく沖縄に帰る。

妹は結婚して子供もいるが1年の半分は沖縄で暮らしているんじゃないかと思う。

おまけに子供を方言で育てている。

更に毎日沖縄方言のCDを聴かせている。

2歳でエイサーが踊れる。

先日両親が家に来た帰りに自由が丘でランチを食べることにした。

何度も東京に来ている母親だが、自由が丘は始めてのようで10分以上歩いているが、珍しく文句もなく足取りも軽い。

どこでもいいというので、私の知ってる店に行くことにした。

そこは自由が丘にありながら庭があり、そこに大きな木があり、その木陰で食事ができるというオシャレで開放感のある、私のお気に入りの場所だった。

お店の入り口にメニューがあったので見てみると、カタカナの多いメニューに母親が面倒くさそうに「何でもいい」と言った。

とりあえず入って木陰の席に座ろうとすると、母親が「中の方がいい。」と言う。

都会に住んでる人にとっては開放感溢れるこの素敵な場所も、もともと開放感溢れる場所に住んでる人にとっては何てことのない場所なのだ。

この店を選んだ意味がなくなった。

中の席に座り、沈み気味な気持ちを何とか持ち上げて、何にする?と聞くと「普通のものはないの?」と言う。

おそらく母親のいう普通のものとは味噌汁が付いてくるものだと思うが勿論ない。

見ての通り建物の作りも洋風で、店の名前も横文字だ。

好きなものがなさそうだが、とりあえずご飯ものということでリゾットを注文した。

料理が出てくると何これ?という顔をし、半分以上残し、更に自分のものだけじゃなく、私が注文したステーキにも文句を付ける。

量が少ないのと、ご飯かパンを選べないのが気に入らないようだ。

誰か至急自由が丘にやよい軒を作ってくれ!!!

後日、妹に「何であの店にしたの?」と聞かれ、私は「開放感が…」と蚊の鳴くような声で答えた。

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