朝から殺陣の打合せ。
打ち合せが終わったところでお昼一緒にどうですか?と誘われたので三人で食事をすることになりました。
「いいお店があるんです!」と言うので行ってみると普通の食堂でした。
普通の食堂だが、やけに二人のテンションが高くなっているのでよほど美味しいお店なんだなと思っていると、メニューを見たとたん意味が分かりました。
なんとメニューにラフテー丼というのがあるのです。
私がラフテー丼に驚いていると二人は思った通りという感じで顔を見合わせています。
他に沖縄の料理があるわけではなく、ラフテー丼だけがあるのです。
ラフテーは沖縄でよく食べていましたが、ラフテー丼というのは食べたことがないですし、考えつかなかったですねと、私も加わり三人でテンションが高くなっていました。
事務所で打ち合わせではなく、最初からこちらで打ち合わせしていたらあっという間に打ち解けて話もすぐに決まったのではないかと思いました。
ラフテー1つによってそれぐらい3人の距離が縮まるのが分かりました。
暫くすると店員さんが来まして、今日は何にしますか?
という感じからお二人はこの食堂の常連さんということが分かります。
「ラフテー丼1つ!」
「私もラフテー丼!」
二人がリズム良く答えると、店員さんも「はい、いつものね!」とリズム良く返します。
店に入った時からやけに店員さんの視線を感じるなと思っていたのですが、どうやらお二人は今度沖縄の人を連れてくると話していたようです。
店員さん「お客様は何にしますか?」
私「野菜炒めください。 ご飯大盛りで。」
三人「!・・・・・・・・・・?」
三人が綺麗な唖然とした顔をしています。
店員さん「野、野菜炒めですか?」
私「大盛りで。」
二人「ラフテーはあまり好きじゃないですか?」
私「好きなんですけど私あまりお肉を食べないんです。」
二人「そうですか・・・」
店員さん「野菜炒めですね・・・」
私「大盛りで。」
その後帰るまでずっと淀んだ空気になり、最初にここで打ち合わせをしていたらきっとこの話はうまくいかなかっただろうと思いました。
沖縄の友人から「笑いを捨てたのか」というメールが届いた。
以前のブログと大分変わってしまったのでそう思われても仕方がない。
意識的に変えたわけではなく、最近は私に全く余裕がない。
ブログの最後に一笑い取って終わろうとか全く考えられない。
どれくらい余裕がないかというと、植物の世話を全くしていない。
休みの日でもどこにも出掛けることなく植物の手入れをしていたので「お前はおじいか。」と言われる程だったが、12月に引越してとりあえずとベランダに仮置きしたレモンの木が仮置きの場所から一歩も動いていない。
寒さに弱いレモンで毎年冬は室内に入れていたが、どうやら大丈夫だったようだ。
野外では寒さで枯れると言われていたものが実際は枯れずに春になって新芽を出した。
これは何か人生の教訓になりそうだ。
ありがとう引越し。
家に約20鉢あるがこの半年間世話やりは水やりだけ。
水の渇き具合を確認することもなく、くたっとなったらくたっとなった。と思って水をあげる。
冬場はあまり水を必要としないのでまだ良かったが、暖かくなって水が必要になってきたので毎日どこかでくたっとしている。
すすきか!とツッコミを入れる。
そんな具合で全く余裕がないので笑いは大切に保管しときます。
因みにその沖縄の友人は白鳳が優勝する度に「お前の好きな白鳳が優勝したな、おめでとう!」とメールをくれる。
私は白鳳のファンではない。
相撲なんか全く見ていない。
火曜日の朝に引っ越しをしたのですが、ほとんど準備をしていなかったので徹夜で朦朧としながら段ボールに物を詰め、何でこんなに荷物が多いのだと半泣きになっていました。
何とか作業を終えると休む間もなく引っ越し屋さんが来た。
その引っ越しのお兄さんがまた凄かった。
俳優の渡辺いっけいさんそっくり。
で、そのいっけいさんが凄かったのは180センチのソファーを軽々と一人で運んだのです。
掃除をするとき移動させるのにも一苦労しますし、買ったときも二人がかりで運んでもらいました。
他の作業も丁寧・迅速・安心で引っ越し屋の鏡。
引っ越し先ではこちらが何も言っていないのに何かのホースが外に外れているのを発見してくれて、ベランダの外側に完全に出て、片手で手すりに捕まり片手で作業をしている。
洗濯機も差し込み口が元のものとは合わなかったようだが全部やってくれた。
本当にいっけいさんのお陰で助かりました。
ただちょっと、いっけいさんにいっこうさんを感じた。
両親が沖縄に帰りました。
昨年も両親が来たときにブログにいろいろ書いたら
人の事を面白可笑しく書くんじゃない!
私が変な人に思われるじゃないの!
と母親に怒られたので、いろいろと書きたいこともあったが控えようと思います。
ということで今日は土曜弓道礼法稽古ということで礼法について。
先週の殺陣の時間に簡単に正座からの礼の仕方を行いましたが、綺麗に見えるコツの一つは戻す動作をゆっくり行うことです。
心持ちとしては余韻を残す。
礼をした余韻を残しながら体を起こす。
体を起こしたあとも止まった状態で余韻を残す。
心を作ればそういう形になると思いますし、形を作ればそういう心になると思います。
すごく日本的な心形で、日本舞踊ではそれがよく表現され、美しく見える理由の一つだと思います。
例えば右に動くときには、体は右に動かしながらも顔と心は残し、最後に後ろ髪を引かれるように右を向いたり。
逆に西洋のバレエは首を先に向けて目標に向かって進んでいくような。
日常生活でも余韻を残すとお互い気持ちが良くなります。
お店を出たあとにこちらが見えなくなるまでずっと見送ってくれるのもすごく日本的だと思います。
因みに私の母はずっと琉球舞踊をやっていたので余韻を残すことが心身に入っているはずです。
帰る前日、どこでもいいので案内してくれと言うのでディズニーシーに行こうかと言うとそこは行かないと言う。
じゃあ浅草に行こうかと言うとそこは行かないと言う。
じゃあ明治神宮に行こうかと言うとそこは行かないと言う。
どこでもいいって言ったじゃないか!
その後も却下され続け、ようやくまだ行ったことがないという新宿御苑に決まった。
新宿のなかにこれだけの緑があり、都会で暮らす人にとっては憩いの場なのだが、沖縄から来た人にとっては何て事のない場所なのだ。
いろいろ見どころがあるのだが、オールスルー。
今の時期の一番の見所のバラ園も完全にスルー。
父は写真を撮っているが、母はバレリーナのごとく顔だけ出口に向けている。
少し休憩を取ることにしてベンチに座ると次どこいく?ともう次の場所に顔を向けている。
せっかくここに来たのだからここで食事をしようとレストランに入ると、メニューで鹿肉を推している。
母は食べたことがないようで注文しようか迷っていると、父が
「しかまんけー」
と親父ギャグを言ったが
方言なのでここでは伝わらない。
因みに父はよく親父ギャグを言う。
先日電話がかかってきて、今日は何していたんだ?と聞かれたので
今、柔術から帰ってきたところと言ったら
「柔術だけに充実しているね!」
と恥ずかしい柔術あるある。
因みに母の電話の切り際は全く余韻がない。
自分が「じゃあまたね」と言うと、
私が「またね」と言う間もなく電話が切れる。
「ね」まで言えない。
「また」プーップーップーッとなる。
私が小さい頃から見ていた母の琉球舞踊は幻だったのか。
結局、三人とも鹿肉を食べた。
食べながらそれぞれの近況報告をして食事を終えると、終えた瞬間
さあ次行こうかと母が立ち上がった。
余韻を取れ!
1分でいいから余韻を取れ!
鹿肉の感想を言え!
一言でいいから鹿肉の感想を言え!
鹿で小話をしろ!
空港でゲートをくぐると振り替えることなく顔を沖縄に向けている。