ビエントさんで散髪。
の帰り道、駅まで歩いて改札の前でスイカの入っているカードケースを出そうとしたが無い。
鞄の中も道衣の中も全て探したけど無い。
クレジットカードも様々なカードも入っている。
落ち着いて探せば結局ポケットに入っていたというパターンだろうと思って落ち着いて探したが見つからない。
焦ってきた。
ビエントさんでクレジットカードを使ったので置き忘れたのかもしれない。
でも店を出たときにカードケースを持っていた記憶がある。
道に落としたに違いない。
あってくれと祈りながらが再び店の前まで戻ってきたが無い。
もしかして店に置き忘れたのかもしれないと思って確認したがやっぱり無い。
困った。
見落としたのかも知れないと思ってもう一度駅まで歩いていると、自転車に乗った女の人が私の前に止まり「すみません」と言った。
もしかしてカードケースを拾ってくれたのかと期待しながら「はい!」と言うと
「もしかして田中さんですか?」
違うわ!
何でこんな時に人違いされるんだ。
しかも田中さんて、
どう見ても私は田中さんに見えないだろ!
がっかりしながら歩いているとさっきの自転車レディーが再び私の前に止まった。
「大城さんですか?」
今度は私の名前を言った。
もしかしてやっぱりカードケースを拾ってくれたのか!?
「大城です!」
「カードケースを落としませんでしたか?」
私のカードケースを手に持っている!
良かった。焦った。助かった。
お礼を言って受け取った。
それは良かったが何で最初田中さんと言ったのだろうか?と思っていると、
「さっきまで田中さんと喋っていたのでつい田中さんて言ってしまったんです(笑)」
そんな事ってあるのか!
私は生まれて一度も無いけどそれ一般的に結構ある事なのか!
いずれにしても良かったと思ってお礼を言っていると、実は拾ってくれたのはその方ではなくて、タイ人だったようです。
タイ人が拾ってくれて、日本語もあまり話せないし、これから仕事に行くとこだったのでたまたま通りがかったその方へ託したようです。
それならタイ人にもお礼を言わなければいけないと思ったのだが、その方もたまたま通りがかっただけなので連絡先も分からないようでした。
どうしようもないのでその場をあとにして、何かお礼ができないだろうかと考えていると、タイ料理を食べに行ってそれをお礼としようと思った。
因みに私はアジア料理があまり好きではない。辛いから。
ネットでタイ料理を調べたら近くにある。
店に入ると男性の店員さんが出迎えてくれた。
無意識にタイ人が出迎えてくれると思っていたのだろう日本人だったのでちょっとびっくりした。
席に着くと奥に女の人が見える。タイ人ぽい。
日本人だった。
店員さんは二人だけでタイ人はいないようだ。
お勧めのガパオライスを辛さ大分控え目にして頼んだ。
頼んで、一人でふーっと落ち着こうとしたら店員さんがまだいる。
?と店員さんを見ると
「何している人なんですか?」
と店員さんに言われた。
そうか、私は普通にしていたが道衣を着ているので変わった人に見えるのか。と思って
「さっきまでそこの体育館で外国人に刀を教えていたんです。」と言って一人で落ち着く雰囲気にしたが、まだいる。
かといって店員さんからは何も言わない。
黙って私が次の言葉を発するのを待っている。
あまり味わったことのない感じだ。
私は話をする気はない。
が、負けてしまって、実はと、ここに来た経緯を全部話した。
全部話すと笑顔で戻っていった。
暫くするとガパオライスが運ばれてきた。
食べると、美味しい。本当に。
アジア料理は辛くしなければ全て美味しいのではないか。
暫くするとまた店員さんが来た。
「どうですか?」
「美味しいですね。」
行ってくれない。
何も言わない。
負けてしまって
「この鶏肉柔らかくて弾力があって辛さも丁度良くて凄く美味しいです。」
「蒸しているのでこうなるんです。」
と言うと笑顔で戻っていった。
食べ終わってお会計を済ませて店を出て、店の前に止めていた自転車に乗ろうとすると、さっきの店員さんが店の前にいた。
ビクッとした。
何も言わない。
負けてしまって
私は鞄からカードケースを取り出して
「これを落として拾ってもらったんです。」と店員さんに見せた。
見せてどうするんだと思いながら。
「良かったですね。」と言って戻っていった。
あの変な感じが癖になった。
という話。
byポーモンコン