我が兵法である「二天一流」は、水にヒントを得た「利方の法(勝つ方法)」を実践することから、「水の巻」と名付け、ここにその太刀論の神髄を書き記すものである。
以下に私が書き記すことを、一言一句たりともないがしろにすることなく、深く吟味し会得してもらいたいものだ。
全ての道に言えることであるが、いい加減な気持ちで学ぼうとすると、本来の道から外れてしまうことが多い。
そうした過ちを犯さないためには、大所高所(広い視野と高い観点から全体を見通すこと)に立った読み方をすることが大切である。
そのことを念頭に置いて、ここに書いてあることをいつも自分自身の身に当てはめて理解することを心がけてほしい。
読むだけで十分とか、習うだけで満足などと決して思わず、書かれたことだけを真似すればよいというような横着な考えも捨ててもらいたい。
必ず何かを習得するのだという強い意志をもって、勘どころを見つけ出すように努め、常に当事者の感覚で、日々工夫し、研鑽に励むように。