五輪書 火之巻22


ー 底を抜くということ

「底を抜く」というのは、敵と一戦交えたとき、こちらの兵法の技が効いて、形の上では勝ったように見えても、敵はまだ闘争心を失わずにいて、うわべの負けたような表情とは裏腹に、胸の奥ではギブアップしていないことがよくある。
そうしたケースでは、こちらの気持ちをただちに切り替え、敵の胸の内に残っている戦意を根絶やしにし、敵が心底から敗北したという気持ちになるのを見届けないといけない。

これが「底を抜く」ということだが、敵の底は太刀で抜くこともあり、体を使って抜くこともあり、心理的に抜くこともあるので、やり方は一通りしかないと思い込んではいけない。
敵が底から崩れたときは気にかける必要はないが、底から崩れていなければ、まだ闘争心は残っているので、警戒してかからないといけない。
敵が底から崩れて完全に戦意を喪失しない限り、敵を完璧に打ち崩したとはいえないのである。

大勢の合戦・少人数の戦いを問わず、「底を抜く」という徹底した戦い方については、日頃からよく研究しておく必要があろう。

体験・見学のお申し込みはこちら

コメントをする

内容をご確認の上、投稿してください。


*

error: Content is protected !!