五輪書 火之巻6


一 剣を踏むということ

「剣を踏む」ということは、兵法では盛んに用いる戦法である。

まず大勢の合戦の場合だが、弓・鉄砲では、敵が何らかの形で先に攻撃をしかけてきたときに、敵の矢弾が一段落してからかかっていくのでは遅すぎる。
敵が弓をつがい、鉄砲に火薬を込めて、襲いかかってくれば、敵陣に押し入ることは難しくなる。
いずれにせよ、敵が矢弾を放っている間にいち早く攻め入る心がけが肝要である。
早く攻め入れば攻め入るほど、敵は矢をつがえにくくなるし、鉄砲も打てなくなるだろう。
敵が何かをしかけてきたら、それをうまく利用し、敵のすることを踏み台にすることだ。それが、勝つ極意である。

また、一対一の勝負でも、敵が打ち出してきた直後に打ち返すと、敵はリズムを狂わせてドタバタし、捗がいかなくなるはずである。
敵が打ち出す太刀は、足で踏みつけるような気持ちで、すかさず打ち返し、敵が二の太刀を見舞ってこないようにしないといけない。
「踏む」というのは足に限ったことではない。体でも踏み、心でも踏み、当然ながら太刀でも踏みつけて、敵に二の太刀を繰り出させないように封じることをいうのだ。

これすなわち、物事の先を読む心得である。なりゆきで反撃するのではない。「敵と一度(同時)に」といって、敵の先制攻撃に対しては、電光石火に即応するのだ。

体験・見学のお申し込みはこちら

コメントをする

内容をご確認の上、投稿してください。


*

error: Content is protected !!