20代の頃、突然バレエをやってみたいと思った私はすぐに近所のバレエ教室に通うことにした。
当然まずは初心者クラスからということになったのだが、これまでどんなスポーツをやっても困ったことがなかった私は、「すぐにできるようになりますので上級者クラスに入会させてください」と無理を言って上級者クラスに入れてもらった。
そう言って入ってきた生意気な私に当然基本なんか全然教えてくれない。
というか何にも教えてくれない。
しかもバレエ用語が多すぎて何言ってるか分からない。
ただ真似をするしかなかった。
困った私は本を買って1人で基本の稽古をしていた。
でもよくわからない。
今更やっぱり初心者クラスに移りたいとも言えない。
こんなことならおっしゃるとおりに初心者クラスに入会すれば良かったと私は半泣きになった。
思い出すたびに今でもいたたまれなくなる。
嗚呼いたたまれなくなる。
しかし懲りずにその後私はバレエで更なるいたたまれなくなる事を経験する。
そして今でもバレエに関することは思い出したくない。
続く。