私は小さい頃からよく食べる方だったが、今までに二度食べ放題で止められたことがある。
一度は食べ放題のお寿司で、母親に止められた。
そこは店員さんに直接食べたいものを頼むスタイルだったので、10貫ずつ位頼んでいると、最初は母も笑っていたが、4・5回頼むと、恥ずかしいからもう止めなさいと言われ、6回目を頼もうと思ったら、「いい加減にしなさい!」とブチキレられた。
もう一度は大学2年生の頃だったと思う、
昼食を終えていつもの休憩所で空手部のメンバーとおしゃべりをしていると、
別の友達がやってくるなり、ちょっと聞いてくれよーと怒り気味にしゃべり始めた。
昨日お寿司の食べ放題へ行ったが、行ってみるとサラリーマンがお酒を飲みながらお寿司を食べるような店で、お酒を飲まずお寿司をたくさん注文していたら、あからさまにぞんざいに扱われて腹が立ったということだった。
それを聞いて空手部のメンバーで、よし、今日も行って死ぬほど食ってやろうということになった。
空手部の練習が終わるのをその友達に待ってもらって、その友達と空手部の中でもよく食べる4人、合計5人でその店へ向かった。
とは言っても、その店は那覇市にあって、大学からは車で約2時間かかる。
練習が終わって腹ペコな上に、更に2時間我慢して、私たちの空腹は最高潮になっていた。
その友達が先頭になって店に入った。
店員さんはいらっしゃいませと言いかけて、「いらっしゃ」で苦い顔になった。
気にせず私たちは入って、座敷に座った。
昨日は最初にお寿司が30貫だされたらしい。
それを食べ終えてから、新たに注文していくようだ。
店員さんが来てお水をだしてくれたが、何も言わない。
気にせず食べ放題を頼んだ。
最初に30貫とかも何も言わない。
そして何も言わず出ていった。
私たちは最初に来た寿司を3分で食べて、またすぐにお代わりを頼もうということになった。
5人で30貫のお寿司を食べるということは一人6貫。
3分ということは1貫30秒。余裕だ。
暫くすると予定通り、お寿司が30貫運ばれてきた。
店員さんが出ていった瞬間、一斉に食べ始めた。
3分も経っていないと思う。
すみませ~んと店員さんを呼んだ。
店員さんは何も言わずに不機嫌そうにこっちを見たが、
「お代わりお願いします!」と言うと、苦々しい顔をした。
回りのサラリーマンも驚いている。
暫くしてまた30貫のお寿司が来た。
そっこう食べ尽くした。
「すみませ~ん、お代わりお願いします!」と言うとヒステリックな顔になった。
回りのサラリーマンも私たちの意図を理解したらしく笑っている。
その後は急いで食べることもなく、普通に食べて、なくなったら注文をするを繰り返していた。
7・8回目だったと思うが、「お代わりお願いします。」と言うと、
怒り心頭で「もうシャリがないのでこれ以上は出せません!」と言った。
私たちは歓喜の声を上げた!
爆笑していた。
悪党をやっつけた気持だった。
多分私たちが悪党だ。
ないならしょうがないなと、今日はこれぐらいにしといたるわみたいな感じで、お会計をすることにした。
昨日来た友達がまとめて会計してくれて、
「ごちそうさま、また来ます」と言うと、店員さんがグゥ~となった。