「太秦ライムライト凄く感動するので観てください!」
と生徒さんに言われたので
「はい、分かりました」
と軽く返事をしたら私に観る気がないのを感じたようで、
後日、『絶対観てくださいね』
という脅迫メールが届いた。
私が観ない気でいたことに対して怒っているようだし、これは観ないと立ち回りの最中に事故に見せかけておもいっきりぶっ叩かれるかもしれないという恐怖感にかられてTSUTAYAに駆け込みました。
立ち回りは歌舞伎で始まった時から現在までいかに主役(芯)を綺麗に格好良く見せるかということになっていますが、どっちみち主役は目立つんだからもう少し斬られる方(カラミ)を目立たせても良いのではないかと思っていたのでいいタイミングでした。
10 ・0で主役寄りなのでせめて5・5にしても良いのではないだろうか。
10・0で斬られる側寄りにしても良いのではないか。
主役の格好良さを観るために劇場に足を運んだり、テレビを観てくれたりするのでそれで良いと思うのだが、以前よりも価値観が多様化されていますのでそれを崩しても良いかなと思います。
立ち回りの作り手の問題もあります。
立ち回りの手を付けるとき殺陣師は、斬られる側に 袈裟に斬ってきてください とか 振り向いたら刀を合わせてください とか言って完全に芯に成り代わって作っていきます。
いかに芯を綺麗に格好良く魅せるか、いかにして怪我を無くすかということを考えてきて、カラミを魅せることもカラミの難しさも考えたこともありませんでした。
それが立ち回り全体を考えるようになり、どっちみち芯は目立つんだからもっとカラミの技術が目立つ立ち回りを創ろうと思い始めていたタイミングでした。
火曜日の稽古会で試していこうと思います。