ずっと気になっていたもののなかなか行く機会が無かったのですが、ポストにチラシが入っていたのでこの機会に行ってみようと思い、近所のストレッチ専門店へ行ってきました。
店に入ると、20代前半位のお兄さんが笑顔で向かえてくれました。
最初にチェックシートの記入があったのですが、どこがいつから痛いのですか?等という、悪いところを治療しに来たという前提になっている。
私は特に痛いところも悪いところも無いので、備考欄に太腿裏が硬いので柔らかくしたいと書いた。
シートを渡しながら、
「腰痛とかもストレッチで治るんですか?」
と聞いてみた。
「はい、治りますよ。」
と爽やかに言った。
マジか!
腰痛がストレッチだけで治るのか!
私は高校生の頃に腰を痛めて、病院・整体・整骨に20年位通ってやっと治ったのだが、それがストレッチだけで治るというのか!
マジか!マジか!
ストレッチって凄えよ!
この人が特別なのか!
私は内心の興奮を抑えて更に聞いた。
「肩凝りも治せますか?」
「はい、治せますよ。」
凄え!凄え!
何を言われても、はい治せますと言い張る強い意志を感じる。
違う意味でイエスマンだ。
身長伸ばせますか?と聞いてみたい。
寿命延ばせますか?と聞いてみたい。
私はそんな興奮を抑えつつ、腿裏がどれ位硬いか計ることになった。
座って前屈をして足先から手が何㎝出るかを計るようだ。
計ってみると15㎝だった。
結構柔らかい方だが、骨盤が後屈していると言われた。
確かにそうなのだ。
骨盤が後傾しているので前屈するとすぐに腿裏が張ってしまう。
それを一発で見抜くとはさすがだ。
腰痛も肩凝りも治せる人にとって、膝裏の堅さなんて秒で治せるのだろう。
ストレッチが始まると、まず腰回りから伸ばしてきた。
この辺もさすがだ。
腿裏と繋がっている筋肉全てを伸ばしていくようだ。
そして腿の前も伸ばしていく。
最後に腿裏。
寝っ転がった私の足を持ち上げて前に押していく、よくあるストレッチ。
これを数十分繰り返した。
途中、どうですか?と聞かれると、何となく腿裏が柔らかくなっている感じがする。
勿論自分でストレッチをしても、この時間ストレッチしていれば+2・3㎝は伸びるようになっていると思うが、満遍なく伸ばしてくれているので大分柔らかくなっている気がする。
数十分のストレッチが終わって、最後にどれ位柔らかくなっているのか計ることになった。
最初15㎝だったので、20㎝位になっていれば凄いと思う。
最初と同じように座った状態で前屈をしてお兄さんがメジャーで計ってくれた。
暫く間が空いた後、お兄さんがボソッと言った。
「14㎝です。」
硬くなってる~!
1㎝硬くなってる~!
私はまた興奮状態になった。
勿論わざとやった訳じゃない。
ストレッチ前も後も、無理せず軽くいけるとこまでいっただけだ。
気まずい空気が流れた。
暫くしてお兄さんがボソッと言った。
「何でですかね?」
しらんがな!
あんたがやったんだろ。
こんなに「しらんがな」という言葉が当てはまる状況はなかなかない。
腰痛も肩凝りも治せて、身長も寿命も延ばせるお兄さんも、腿裏だけは伸ばせないようだ。