色々バイトをしていたが、私の頑固さが原因でよく社員の人に怒られたり揉めたりすることがあった。
殆ど怒られるだけで辞めさせられることはなかったが、一度だけ辞めさせられたことがある。
コーヒーチェーンでバイトをしていた時の話だが、
そこの店は、ごみ箱がいっぱいになったら一旦足で踏んで潰して小さくして、再び一杯になったらごみを捨てるというルールがあった。
そうするとごみを出す回数が少なくなって、ごみ替えの時間が節約できるということだったのかもしれない。
ということで、皆ごみが一杯になったら踏みつぶしていたが、私はそれが嫌だった。
足で踏みつぶすのが嫌で、手で押しこんで、そして手袋を外して手を洗って再び新しい手袋を付けていた。
どんなに忙しくても手で押しこんで、手袋を外して、手を洗って、再び新しい手袋を付けていた。
店長も最初は笑顔で「足でやっていいんですよー」と言ってくれていたが、
私は「はい」と返事をしながら毎回手で押し込んでいたので、
険しい顔で「足でやってください」と言うようになり、怖い顔で「足でやれよ」と言うようになり、真顔で「どうしても足でやるのが嫌ならここでは仕事ができない」と言うようになり、最後はブチ切れて「辞めろ~!」と言った。
しょーがないので辞めた。
今日稽古場で節分の話になって、節分は2月3日と思っていたのだが、今年は2月2日らしいですね。
節分の日は毎年変わるものと知らなかった。
私だけか。
立春の前日が節分で、冬の節と春の節を分けるので節分ということらしい。
昔疫病が流行した時、悪霊を追い払う行事が行われ、後に豆をまくようになり、これが豆まき、鬼は外の起源だそうだ。
この人たちはいつも何でも知ってる。
凧揚げは戦に使われていたとか、双六は博打だったとか。
デーモン小暮さんの10万62歳まではいかなくても、175歳位なんじゃないかと思う。
私が得意気に1言うと、10返される。
因みにうちの教室では、「豆まき」ならぬ「豆斬り」を毎年やっている。
丁度日曜日が節分なので今年も日曜日にやりましょう。
銀座のほうにいい足袋屋があるということで、名前を聞くと「大野屋」というので、あの歌舞伎座近くの店かと思って教えてもらった住所へ行くと、銀座というより京橋のほうで、名前は同じ「大野屋」だ。
凄く趣のある建物だなと思ったら100年前の建物で国の文化財に指定されているようで、更に創業は200年を超える、かなりの老舗の足袋屋のようだ。
中へ入ると小さな店内に様々な足袋があって、興味を引く足袋が沢山ある。
普通の黒足袋が欲しかったので見せてもらうと、カラス足袋と言われる紺色っぽい足袋と、普通の黒色の黒足袋を見せてくれて、更に同じサイズでも4段階の幅がある。
幅の広い男性にも助かるし、足を細く綺麗に見せたい女性にもいいと思う。
足型を取って足袋を作ることもできる。
白足袋の需要が多いようなので、基本的には足が細く、小さく、きれいに見える様に底を狭く、爪先をふっくらと丸く仕上げているようだ。
2階で作って1階で販売しているというのもいい。
昔は足袋屋が沢山あったが、今は手作り販売している店は東京でも3軒位しかないようだ。
需要が少なくなってきたことと、後継者不足ということらしい。
こないだ着物の藤木屋さんへ行った時も店員さんが同じ事を行っていたが、その時は全然ピンとこなかったが、実際足袋屋さんで聞くと寂しく感じる。
多分専門店の存在を知らない人も多いと思うので、足袋を履く人は一度行ってみてほしい。