コラム一覧

ヨーガスートラ第4章


4-1
生まれること、特別な薬草、マントラ瞑想、精神修行、瞑想の練習はヨガの達成に効果があります。
・元々の自分でないもの、思い込み等を落とし、ただ自分自身でいる。

4-2
別の体に生まれ変わることは過去に積んだカルマの結果です。
・今の体、能力、環境、人間関係、課題、言語、社会、時代、気候、性別、生まれた場所、親兄弟、家族、遺伝子、
全て受け入れる。

4-3
今の人生は誰かの陰謀によるものではありません。新たなカルマをすることは、過去の不必要な影響を取り除くことでもあります。それは農夫が土地を管理するようなことです。
・土地に水を入れ、雑草を抜き、土を耕し、土地を豊かにする。

4-4
心に浮かぶ考えは、自我意識から現れます。

4-5
自我意識と意識の源の違いを知る時、全ての生物の行いをさせているのはチット(1つの意識の源)ということが分かります。
・私という1つの心だけでなく、全ての生き物の意識の源。

4-6
その時、瞑想から生まれる理解によって輪廻は終わります。
・全ての生き物は、チットに支えられた自我意識を持っている。

4-7
ヨーギー(ヨガを達成した人)のカルマはプンニャ(高徳)もパーパ(不徳)の区別もありません。
ヨーギーではない人のカルマは3つのグナ(質)、サットヴァ(純性)、ラジャス(動質)、タマス(鈍性)に区別されます。
・自我意識という軸がない人にカルマが廻ることはありません。

4-8
3つのグナの蓄積からカルマの結果が実ります。
ヴァーサナ(潜在的な記憶)から3つのグナに従って自分が現れます。
・感情、正確、習慣、態度、感じ方、考え方、嫮生が現れる。

4-9
スムルティ(記憶)とサンスカーラ(潜在意識)は、どちらも記憶という同じ考え方の形です。サンスカーラは、生まれた種類、場所、時間によって違います。
・過去にどこに生まれ、何をしたかという心に潜む膨大な過去の記憶がサンスカーラです。

4-10
スムルティとサンスカーラには、始まりがありません。人の望みには始まり終わりもなく、永遠に廻り続けるものだからです。

4-11
サンスカーラは、無知と欲望から生じるカルマから生じます。サンスカーラにとらわれる時、カルマは続きます。無知と欲望が無くなる時、サンスカーラは解消され、カルマも解消されます。
・サンサーラ(輪廻)に繋いでいる2つの原因が、カルマ(行い)と欲望です。

4-12
過去と未来は、流れの違いがあるという特徴を持った考えです。
・過去と未来は今という時間に映る考えにすぎません。

4-13
過去現在未来という時間は、現在だけに実態があり、過去と未来は実態のない概念です。それが時間に対する特徴です。
・今に集中して今を楽しみ、今を生きる。

4-14
たくさんの変化の中で一つだけ変わらないものがあります。それが物事の真実です。
・全てを観る知の源が、ブラフマン(普遍の存在)、アートマン(真我)、プルシャ(人間の真実)。

4-15
1つのものにおいて受け止め方には違いがあります。ありのままにある物と、個人の経験から生じる考えです。
・人はものを客観的に見ながら自分の考え方を上乗せして主観的に見る。

4-16
物事の1つだけの考えに頼っているのではありません。そうでなければ物事の変化が知られない状態となってしまうでしょう。

4-17
物事が知られる時、物は人に影響を与えることが必要です。それによって認識される物もされない物もあります。
・人混みの中から、注意する記憶、理解というプロセスがあって特定の人を認識することができる。

4-18
考えの動きは考えの動きを観ているものに知られています。考えを観ている自分自身の真実は変わることがありません。
・考えは物にすぎない。考えは、意識の源である私によって意識的になる物です。

4-19
考えはそれ自体で意識的にはなりません。考えは、意識される物です。
・考えは物、自分は主体、この2つを見極めること。

4-20
物を映す考えと、映っている対象物は、同時に理解されることはありません。

4-21
考えが別の考えで認識されるのなら、その考えを認識するためのまた別の考えが必要になり、記憶の混乱が起こってしまいます。

4-22
変わらない意識の源が、考えの形を映すので、認識という理解が起こります。
・意識の源があるから心に理解や感情が起こります。

4-23
観る存在と見られる物に影響を受けた考えが、全ての物事を映します。
・考えは意識の源によって意識的になることができる。

4-24
考えは数えきれない潜在意識によって他用に動くように見えます。
潜在意識と意識的な存在は同じように見えますが、潜在意識は意識的な存在の為にあります。
・本当の望みと違うことをしてしまうのは、潜在意識の影響があります。

4-25
考えと自分自身の区別を理解する人は、心と自分自身を混乱して悩むことが終わります。
・自分自身があって心が存在し動きます。

4-26
そして見極めた時、心は自我を手放し、大いなる存在と繋がります。
・自我的な考えに動かされそうになるたびに心の習慣に気付く。

4-27
真実の理解に混乱があるなら、潜在的な無知と混乱からきています。
・無知と混乱を落とす方法がアシュタンガヨーガ。

4-28
これらの無知と混乱の開放は、(2章で述べた)苦悩を開放する方法で可能です。
・ヨガに生き、逆転の発送をし、瞑想を繰り返し練習すること。この3つで苦悩から開放される。

4-29
瞑想の変化やメリットにさえも心が奪われず、真実を見極める人にとって、真実を見極める知恵はヨガのゴールに至る大きな助けとなります。

4-30
それによって苦悩の種であるカルマとその結果から開放されます。
・自由とは、他人が物に依存していない在り方のこと。自分の幸せを他に委ねていない強く毅然とした態度のこと。

4-31
真実を覆い隠していた無知・不浄がなくなった人に、他の知識はたいした意味を持たなくなります。その人が理解したことは根源にあるものだから。

4-32
そして3つのグナ(質)からなるカルマが目的を終え、輪廻が終わります。

4-33
カルマの繋がりとは途切れることのない瞬間の繋がりであり、永遠とは別の終わることのない変化と理解されます。

4-34
生きる目的を果たした時、3つのグナは、世界を構成する要素に戻ります。
更にグナは意識の源に戻ります。全てが意識の源に至ることが、カイヴァリア(完全な自由)です。

error: Content is protected !!