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ヨーガスートラ 第2章


2ー1
タパス(自己規律)、ソヴァーディヤーヤ(自分について学び知ること)、イーシュヴァラプラニダーナーニ(自然の摂理を知ること)、この3つがクリヤーヨーガ(生き方をヨガにすること)です。
・仕事、家族、精神的な修行、今目の前にあることが自分の果たすべきこと。

2ー2
クリヤーヨーガ(生き方のヨーガ)が、サマーディをもたらし、クレーシャ(ヨガの障害)を最小限にします。
・家族、仕事、学校などでの自分の行い、立ち居振る舞い、使う言葉、考え方などを調和させる。

2ー3
・無知、自意識の高さ、欲望、嫌悪、死への恐れ、この5つが心を悩ませる苦悩の原因となるウルッディ(考えの動き)です。
・知識と瞑想で解決。

2ー4
無知が他の4つの苦悩の原因です。
それぞれの苦悩は4段階あります。
1潜在的な状態。(プラスプタ)
2意思で収められた状態。(タヌ)
3内に抱えている状態(ヴィッチンナ)
4表面化した状態(ウダーラ)
・自分の真実を知り、常に心の状態に気付き、クリヤーヨーガ(日常をヨガにすること)で解決することができる。
・クリヤーヨーガ
1、自分の気持ちを高め、心に勇気をくれるような言葉や映像、感動に触れ、心に栄養を与える。
2 、早起きして、部屋や自分の身を清潔にし、美味しく食べてよく寝る。規律正しく生活する。
3、苦しい時は大きなものに開け放ち、預ける。

2ー5
変化するもの、汚れるもの、苦痛、真実ではないものに、変化せず、清浄で、幸せで、変わることがない、真実の自分を重ねてしまうことが無知です。

2ー6
真我と考えが同一だとしてしまうことが自我です。
・同一化してしまうことに苦悩の原因がある。

2ー7
喜び、楽しみを強く望み、執着することがラーガです。

2ー8
苦しみの対象に心をとらわれていることがドヴェーシャです。
・主観に引きずられないことで嫌悪や偏愛という執着を解放することができる。

2ー9
生物が本質的に持ち、賢者さえ同じように持っている根深い恐れがアビニヴェーシャ死への恐怖です。
・本来何も失うものなどない自分の本当を知る。

2ー10
5つの苦悩の原因は、表面に現れる前の潜在的な段階で取り除く
・無知を打ち砕く真実を知る。

2ー11
5つの苦悩の原因で混乱した考えは見極めの瞑想によって取り除く。
・何もしなければ恐れや無知は取り除かれることはない。

2ー12
5つの苦悩の原因は、過去のカルマの結果です。
カルマの結果は今生か来生で経験する。
・成長するために合う必要のある人と会い、起こるべき出来事に遭遇する。

2ー13
苦悩の原因がある時、1生死、2寿命、3経験が現れる。
・苦悩の原因は自我意識であり自分ではないことを知らない時、3つの経験を続ける。

2ー14
これらはカルマの結果で、喜びはプンニャ(徳の高い行い)、苦痛はアプンニャ(不徳な行い)が原因。
・未来にラッキーを起こしたければ今徳の高い行いをする。

2ー15
変化と苦痛という記憶が苦悩の原因となる。
賢者は今の心地良さもやがて苦悩の原因となることを知っている。
・変わる体験や物を求めることに夢中になることはない。

2ー16
まだ現れていない未来の苦痛(ドゥッカ)は避けることができる。
・起こるべきことが起こり、合うべき人と会っている。起こっていることをそのまま受け止める。動じない強さを日頃から用意しとく。

2ー17
本当の自分と自分ではない物を混同することが苦悩の原因です。
・混同すると老いや病気で起こる体の苦しさが自分の苦しさになる。

2ー18
純正(サットヴァ)・動質(ラジャス)・鈍質(タマス)の3つの質で成り立ち、五感で体験できるものは、観られる物(ドゥルシャ)であり、経験のためにあり、悟りに至るためにある。
・体・心は私達を悩ませながら学びを得るための大事な道具。
2ー19
・観られる物(ドゥルシャ)は16の物質(ヴィシェーシャ)と潜在的な物質の原因(アヴィシェーシャ)に分かれます。
2つはそれぞれ、物質になる前の状態(リンガマートラ)、まだ現れていない状態(アリンガーニ)とも呼ばれています。
形ある状態でも、潜在的な状態でも
物は純正(サットヴァ)、動質(ラジャス)、鈍質(タマス)という3つの質が常に変化しています。

2ー20
見る物は意識の源であり変化しない存在である。
心に影響を受けず見る存在。
・体が汚れても考えが乱れても自分自身(ドラシュター)は変わらない。

2ー21
変わる物はそれを見る存在(ドラシュター)の為にある。
・物が世界にある理由は生きる存在が経験を積むためにある。
家はそこに住む人の為にある。

2ー22
自分の真実を知った人は苦悩の繰り返しが終わります。一方、自分の真実を知らない人は苦悩が巡り続けます。
・自分の真実とは無限の自由であると知ること。

2ー23
自分が使う道具(体・心・感覚)と自分自身を混乱することは、無知による混乱(サンヨーガ)です。
・観る者(ドラシュター)と観られる者(ドゥルシャ)を混同することで苦しみが生じる。

2ー24
混乱の原因は無知にある。
・そこに揺るがずにいれば心や考えに巻き込まれることはない。

2ー25
無知と混乱がなくなる時、苦悩の連絡は無くなり、完全な存在(カイヴァリア)となる。
・自分自身にとどまることをカイヴァリアという。

2ー26
真実を見極め、理解することが無知・混乱をなくし、苦悩を解放する方法です。
・様々な心模様を映す空のような存在が自分自身の存在。

2ー27
苦悩から自由になるまで7つの段階があります。
・1苦悩を取り除きたいと望むこと。
2どう取り除くのか分析すること
3深く考え瞑想すること
4瞑想し、更に知恵を深めること
5知恵を実感すること
6揺るがない知恵がいつも自分の中心に輝いていること
7自分自身に完全に目覚めていること

2ー28
8つからなるヨガを聖典の教えに忠実に続けると、5つの苦悩が消え、真実を理解して知恵の光が輝くでしょう。
・自分を律する生き方によってセルフイメージが高まり、正しいことを語り、強く自信に満ちた行いが確立します。

2ー29
①ヤマ(気をつけるべきこと)
②二ヤマ(するべきこと)
③アーサナ(姿勢)
④プラーナヤーマ(呼吸法)
⑤プラッティヤーハーラ(感覚をおさめる)
⑥ダーラナー(集中)
⑦ディヤーナン(瞑想)
⑧サマーディ(瞑想状態)
この8つがアシュタンガヨーガ(8つの枝からなるヨガ)です。
何を考え何を食べ何を語りどう生き何をし何を目指すのか、生きるゴールを見据える方法がアシュタンガヨーガ。

2ー30
1暴力的な言動を慎む
2嘘をつかない
3盗まない
4規律正しい生活をする
5不要なものを抱え込まない、この5つがヤマ。
誰もがつい陥りそうな習慣を見直すための練習。

2ー31
どんな生き物に対しても、どんな場所でも、どんな時も、どんな状況でも、5つを守ることを世界に誓い、実践することがヤマです。
・守れなかったとしても諦めずし続ける。
1つの誓いを12年守ると結果がでる。

2ー32
1心身の浄化
2自分に与えられた全てを受け入れる
3自分を律する
4自分・世界の真実を学ぶ
5自然の摂理を理解し委ねる
この5つがニヤマ。
・早起きしてやるべきことを淡々と重ねる。

2ー33
教えと反対の衝動が起こった時は逆転の発想と行動で乗り越える。
・心が暴れそうな時は怒りが消えるまで何度でも逆転の発想を試す。

2ー34
ヨガを邪魔するのは、ヤマ・二ヤマと逆の発想です。
自分が暴力をふるうことも誰かにさせることも黙って見ている事も逆の衝動に突き動かされています。
それは多かれ少なかれ衝動に心が影響を受け、無知に導かれ、想像もしないような結末を迎えてしまうことがあります。
それらを逆転の発想で乗り越えることができます。

2ー35
非暴力が習慣になると、周りの人々は敵意を失います。
・その人の強さ、大きさ、優しさに影響を受け、周りにいる人の心が和らぎ、明るい気持ちになってしまう。

2ー36
嘘を言わないことが自然な習慣になった時、行いの結果が発言通りになります。

2ー37
盗まないこと(アスティーヤ)が習慣になった時、全ての宝を手に入れることができます。
・自然の法則に任せ、来る者、去る物はそのままに、執着することなく、あるがままにしておくことは、物との関係から自由になる秘訣です。

2ー38
規律正しい生活ができるようになった時、精神的な強さを手にします。
・規律正しい生活がヨガの基礎力を作ります。

2ー39
執着がなくなると、なぜこの体を持っているのか?、その理由や過去と未来の繋がりを理解します。
・執着がなくなると物や人と調和の取れた関係を築くことができる。

2ー40
体の清潔さを保っていると、自分の体の嫌悪や執着もなくなります。
・自分の体、心、能力を受け入れられないという考え方が、私達の心をいつも苦しませる。
自然の摂理によって預けられた自分の体も他人も物事もあるがままに受け止める心でいる。

2ー41
心と体の浄化により感覚に流されなくなり、真実を知る力が身に付きます。
・心が揺れる度に連れ戻すことを繰り返す練習。

2ー42
与えられたものを受け入れ満足することで幸せを得ることができます。
・困難な課題こそ今より大きく成長するための学びが詰まっていることは確か。

2ー43
自己規律に生きることで過去の不徳を浄化し、体と感覚の意のままに使えるようになる。
・日常生活の中で、無理せずやるべき事から逃げず、規律正しく生きることが自己規律です。

2ー44
自分の真実を学ぶことで心をゆだねる存在と繋がっていることを理解します。

2ー45
自然の摂理を理解し委ねることで深い瞑想状態に達します。
・問題や苦悩を完全に手放せる存在に委ねることができる時、心は静かに安らぎます。

2ー46
安定して快適な姿勢がヨガの座法(アーサナ)です。
・体を忘れるほど安定して快適に48分座り続けることができたらヨガを達成した人(アーサナシッディ)と呼ばれます。

2ー47
体の安定は意図的にリラックスすることにより、体の快適さは瞑想により限りないものと繋がりを感じることにより達成できます。

2ー48
それにより両極端なものに悩まなくなります。
・瞑想を深めることにより環境に影響されず心穏やかに座ることができます。

2ー49
安定した姿勢で座れるようになった時、息を吸うこと吐くことが自然に静まります。それが呼吸を整えること(プラーナヤーマ)です。
・生き物の体には、呼吸し、血液を動かし、食べ物を消化、吸収し、要らない物を排泄するという生命力プラーナが流れています。生命力のバランスを取ってコントロールすることがプラーナヤーマです。

2ー50
吐く吸う止めるという呼吸の活動が、場所、長さ、回数によって穏やかになると、静寂に至りやすくなります。

2ー51
吐くこと吸うことが努力なく自然にスムーズに行われていること、これが完成された呼吸です。
・呼吸は瞑想をするための必要な準備。

2ー51
アーサナとプラーナヤーマが完成した時、知性の働きを覆い隠すタマス(鈍性)が取り除かれます。
・アーサナとプラーナヤーマで体の準備が整い、ヤマニヤマでヨガに取り組む基礎が整い、集中と瞑想で心の準備ができます。
そうやって準備をして穏やかに座れるようになった時、自分自身の真実を理解すると言います。

2ー53
呼吸の落ち着きによって集中状態(ダーラナー)が現れます。

2ー54
根源の存在に収まり、五感で感じる感覚と対象物に引きずられないことをプラッティヤハーラといいます。
・感覚は馬車の馬。道端の草花にフラフラと惹きつけられない。

2ー55
プラッティヤハーラ(感覚に引きずられない)の練習によって、感覚を意思で収めることができるようになります。
・感覚を律して必要な物だけを持ち情報に動かされず毎日注意深く生きることがプラッティヤハーラの練習です。
感覚の動きを意識して、自分の考えと行動を変えることが心を収めるトレーニングになる。

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