チャレンジ


最近火曜日の空手教室で困っている事がある。

正座をして礼をするとこのクラスの時だけ右肘がポキッとなる。

子供たちが稽古場に入ってくると鬼ごっこをしたり、流行りのギャグをやったりして騒がしくなるだが、時間がきて私が「始めます!」と言うと整列して一応静かになる。

しかし、子供たちはまだ遊びの余韻が残っているので稽古モードに切り替えるために正座をして一分間黙想する。

これで大分稽古モードに切り替わるので、そろそろいいかなと思ったところで私が「開目!」と言って目を開く。

そして静まり返った雰囲気の中ゆっくり礼をすると私の右肘が「ポキッ」となる。

静寂に「ポキッ」が可笑しくて子供たちが笑うと「笑うんじゃない!」と言いながら私も半笑い。

私が真面目な顔をして「始めます!」と言うことから黙想まで全てが「オチ」に向けての「振り」となっている。

他の空手教室4ヶ所や、柔術・殺陣の時にも同じように正座・礼をするが、何故かこのクラスだけポキッとなる。

笑神様の仕業としか思えない。

子供たちがこの笑いに飽きて、「もういい!」と突っ込むまでは続けていこうと思っているが問題は自分でコントロール出来ないことである。

ポキッとなり始めてから一度だけならなかったことがあった。

いつものように黙想のあと礼をしながら私も子供たちもポキ待ちだったのだがポキなく礼を終えてしまった。

顔を上げたあとの子供たちの視線がいっせいに私に向けられた。

その目は
「先生・・・」
「何で・・・?」
「期待していたのに」
「先生具合悪いの?」

と訴えかけていた。

私は
「ごめん…」
「先生だってこんなはずじゃなかった」
「こんな先生でごめん」
「来週は頑張るから」

と目で返した。

そして次の週。

私は緊張した面持ちで「黙想!」と言った。

子供たちも先週のことが頭にあるようで若干黙想の顔も堅い。

「開目!」と言って子供たちが目を開けると心配そうな顔で私を見つめている。

私はいつもより大きな声で「礼!」と言いゆっくり礼をした。

子供たちも耳をすませている。

「ポキッ!」

なった!!

私は子供たちを見回すといつものような可笑しくて笑うという感じではなく安堵感から笑顔になっていた。

私も安堵感一杯にいつものように「笑うんじゃない!」と言った。

子供たちが「先生やったね!」と目で祝福してくれた。

「ありがとう!!」

私は子供たちにチャレンジすることの大切さを教えることができた。

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