最終日
最終日と言っても、午後から空手教室があるので朝ホテルを出て空港へ向かってすぐ出発。
久しぶりに窓際に座ったら虹の輪の中に飛行機の影が映って幻想的だった。
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二日目
今回は那覇シティーリゾートホテルに宿泊。
シティーリゾートをうたっているだけあってホームページにも、フリースペースでフリードリンクでワーケーション等にご利用下さい。なんて書いてある。
沖縄で仕事をするのにピッタリじゃないか。
昼食を終えて暫くして、フロントにフリースペースを使いたいと伝えると、フリースペースへ案内してくれた。
利用時間がレストランが終わる15時からなので、てっきりレストランがラウンジみたいになってフリースペースになると思っていたら、何かちょっと離れの部屋という感じだった。
さっきの昼食会場のシークヮーサージュースとかマンゴージュースとかコーヒーとかが飲み放題だと思っていたのだが、部屋に入ると飲み物が何もない。
スタッフの方が来て、「コーヒーかさんぴん茶がありますが、何がいいですか?」と言うので、えっと思いながら「じゃあ、アイスコーヒーで」と言うと、「ミルクと砂糖もご利用ですか?」と言うので、「ブラックで」と言った。
で、そしたら、
缶コーヒーブラック無糖を持ってきた。
まじか!?
書いてること何にも間違ってないような気もするけど、
マジか!?
ドリンク飲み放題って、缶コーヒーと缶さんぴん茶が飲み放題なのか!
マジか!?
シティーリゾートって・・・マジか!?
夜は殺陣教室
殺陣教室が終わって一旦ホテルへ戻って荷物を置いて、それから食事に出て、ホテルへの帰り道、前を歩いている年配の方も同じホテルへ向かっている感じだ。
歩き方から何となく武道をやってる感じがする。
ホテルへ入ると、私はすぐにエレベーターへ向かったが、年配の方はフロントへ向かった。
歩きながらフロントの方から声が聞こえた。
「有料ビデオは見れないのですか?」
スタッフ「見れないです。」
ただのエロジジイだった。
私がエレベーターに乗ると、そのジジイも急いで乗ってきた。
私の格好を見て、「何かやってるんですか?」と言った。
「剣術をやってます」と言うと、「剣術?」と言うので、「居合みたいなものです」と言った。
エレベーターがジジイが降りる4階に着いて、扉が開いた。
ジジイは扉を抑えたまま私に聞いてきた。
「沖縄でそんな場所あるんですか?」
「東京でやっているんですけど、昨年から月に一度沖縄でやってるんです」と言うと、
どや顔で「私は京都何とか何とかの藩士八段!」と言って、抑えた手を格好良く離して、決まった!という感じで去っていった。
藩士八段じゃねえんだよ!
てめえがさっき、有料ビデオ見れないかと言ってたのこっちに聞こえてんだよ!
京都の居合やってる人全員に謝れ!
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初日
空港到着。
空港に着くとまず荷物を預ける。
居合刀があるので、特別預け口に受付に行くと、後ろにいる荷物を運ぶ係の方が何も言わずジュラルミンケースを持ってきた。
受付も何かとあって10分位かかるのだが、最後に受付の方がジュラルミンケースを取りに行きますので少々お待ち下さいと言ったので、それじゃないですか、と言うと、受付の方も何であるの?って感じだった。
さっき持ってきてくれた方が来て、私に「何に使うんですか?」と言った。
12月に沖縄に行き始めて今月で預けるのが3回目なのだが私の事を覚えている感じだ。
利用者が全然いないならまだ分かるが、ベビーカーも大きな楽器もペットも色々預ける人がいるし、今日も20分位並んでいて、毎日沢山の人がいるはずなのに覚えられていてびっくりした。
誰も人のことなんか見てないわよって言ったりするが、思ったより見られてるんだね。
近所の始めて行く店とかでも、
よく歩いているの見ますよ。なんて言われたりする。
私はあまり人の顔を覚えないので、よく行くカフェでもチョコザップでも一人の顔も思い出せないが、もしかしたらそこでも顔を覚えられているのだろうか。
因みにチョコザップではランニングマシンをいつもの格好でなんば走りで走っている。
以前フレンチのレストランでウエイターのバイトをしていたのだが、そこの料理長が凄く怖い人だった。
店長もいたのだが、店長よりも料理長が偉いという感じで、店長は何かいつも気を使っていた。
ホール側の人たちは基本的に平和的だったのだが、キッチン側は新しい人がよく頭をはたかれたり罵声を浴びせられていた。
ランチタイムが終わると皆でまかないを食べるのだが、若い料理人がまかないを作って、料理長がダメ出しをしたりしていた。
たまに料理長がまかないを作る時があって、その時はやっぱり美味しかった。
ある時、料理長が「ご飯ですよ」みたいのを買ってきて、何気なく買ってきたのだと思うのだが、
料理長が買ってきたものなので、皆「美味しい!」「美味しい!」「ご飯に合う!」何て言ってて、
何かの流れで店長が私に「大城君どう?」と振ってきたので、
「これ自体は美味しいんですけど、あくまでもご飯を引き立てるものなので、これは味が強すぎると思います」と正直な感想をそのまま言ったら、
せっかく料理長が買ってきたものにお前はなんてことを言うんだ!と店長にもの凄く怒られた。
店長は慌てて料理長に平謝りだった。
料理長はずっと沈黙していたが、暫くして口を開くと、
「実は俺もそう思った」と言った。
それから何故か料理長に気に入られて、料理の本を貸してくれたりした。
それから何故か店長に気に入られなくて、いちゃもんをつけられるようになった。
その後数カ月店長とギスギスしていたが、ある日のランチタイムに、
お客さんが入ってくると、空席があるのを見落として店長が「申し訳ございません満席です」とお客さんを帰そうとしたので、私が慌てて「今席が空きましたので大丈夫ですよ」を言ってお客さんを入れることができたのだが、その日のランチタイムが終わると、お客さんの前で恥をかかせやがって、ああいうときは満席でいいんだよ、みたいなことを言われ、バイトを辞めさせられそうになった。
色々バイトをしていたが、私の頑固さが原因でよく社員の人に怒られたり揉めたりすることがあった。
殆ど怒られるだけで辞めさせられることはなかったが、一度だけ辞めさせられたことがある。
コーヒーチェーンでバイトをしていた時の話だが、
そこの店は、ごみ箱がいっぱいになったら一旦足で踏んで潰して小さくして、再び一杯になったらごみを捨てるというルールがあった。
そうするとごみを出す回数が少なくなって、ごみ替えの時間が節約できるということだったのかもしれない。
ということで、皆ごみが一杯になったら踏みつぶしていたが、私はそれが嫌だった。
足で踏みつぶすのが嫌で、手で押しこんで、そして手袋を外して手を洗って再び新しい手袋を付けていた。
どんなに忙しくても手で押しこんで、手袋を外して、手を洗って、再び新しい手袋を付けていた。
店長も最初は笑顔で「足でやっていいんですよー」と言ってくれていたが、
私は「はい」と返事をしながら毎回手で押し込んでいたので、
険しい顔で「足でやってください」と言うようになり、怖い顔で「足でやれよ」と言うようになり、真顔で「どうしても足でやるのが嫌ならここでは仕事ができない」と言うようになり、最後はブチ切れて「辞めろ~!」と言った。
しょーがないので辞めた。