人見知りな人たち


久し振りの休みだったのでマッサージへ行ってきた。

初めて行く店で、しかも和服なのでお店の人にびっくりされた。

気にせず「予約していた大城です。」と言うと、
「お待ちしておりました、大城ジョー様ですね。」と言う。

何を言っているんだと思ったが、以前スタジオジョーの親睦会でサイトからお店を予約した時に、皆が分かりやすいようにと大城ジョーという名前で予約していて、同じサイトなので今回も大城ジョーになっていた。

和服で入ってきて名前は大城ジョー、ますます引いている。

本日担当させていただきますという方がやってきたが、大分人見知りするタイプのようだ。

グイグイくる人は苦手だが、私も人見知りなのでこういう時は多少グイグイこられた方が楽だ。

「気になるところはありますか?」と聞かれ、「背中が少し重い感じがします」と言うと、「それではうつ伏せになってください」と言われて私はうつ伏せになった。

顔が見えなくなると店員さんも少し緊張が取れたのを感じたが、それでもまだ固い。

60分間沈黙というのも何だかなあと思って、私は少しずついろんな話を振って何とか店員さんを笑わせようと思った。

「オリエンタルアジャストメントって知っていますか?」
「いえ、知りません。」

「たてって知っていますか?」
「えっ?」

「そういえばアジサイが見頃ですね。」
「えっ?」

なかなか共通点が無い。

「部活何かやってましたか?」
「弓道やってました。」

キタ~!

私はジャブ・ジャブ・ストレートの作戦を立てた。
ジャブ2回で軽く効かせて最後に渾身のストレートを放つ。

「よく女子が袴の中に手を入れてパタパタやっているじゃないですか、あの仕草可愛いですよね、誰もいないときにやっていたら後ろに先生がいたんですよ~(笑)」

まずは軽いジャブ。

次もジャブ。
「電車で弓を持って立っていたらお婆さんが手すりと思って弓に掴まってきたので自分の降りる駅で降りられなかったんですよ~(誘笑)」

よし、次はストレート。

「弓道あるあるですけど、打ちお越しの時に弓の先にトンボが止まったんですよ、そのまま第三に移行して引き分けたらトンボが移動して今度は頭に止まったんですよ、そのまま矢を離したら今度はトンボがあそこに止まったんですよ。
皆爆笑していたけど私は気付いていない振りをしてずっと両手を広げて残心を取っていたんですよ!」

マッサージの手を止めて笑ってくれた。

下ネタは言わないが、いざという時は使う。

その後は店員さんからも話しかけてくれるようになり、お陰で楽しい時間が過ごせた。

終わりの時間になり、うつ伏せから起き上がり顔を見合わせると、お互いまた人見知りに戻った。

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