本格的なマウスピースを作ろうと思い歯医者で型を取っていただくことにしました。
部屋に入り、腰掛けると上下の歯形を取るという。
マウスピースは上の歯だけに付けるものなのですが、より噛み合わせを強くするために上下の歯形を取るようだ。
衛生士さんに、「型を取るために口の中に柔らかいピンクのものを入れるので、少しおえっとなるかもしれません。」と言われたのですが、全然苦しくもなく、おえっともならず安心していると、暫くして医者がやって来てもう一度型を取りますと言われた。
さっきのはダメだったようだ。
おえっとなりますので我慢してくださいと言うと、さっきとは桁違いの量のピンクが口の中に入ってきた。
すぐにおえっとなった。
更にピンクが上顎から喉に流れ出し喉をふさいだ。
またおえっとなった。
固まるまで暫くお待ちくださいと言う。
おえっとなった。
非常に苦しい。
医者は私の気をまぎらわそうと噛み合わせが体に及ぼす影響の話をしている。
どうでもいい。
暫くすると型が固まりようやく取ってくれた。
そして少々お待ちくださいと言って出ていくと何故かボクシングのチャンピオンベルトを持ってきた。
「ボクシングをやっている人みんなに見せているんですよ。」と言う。
私はボクシングをやっていない。
たまたま額に傷を作っているので私がボクシングをやっていると思ったようだ。
勘が外れている。
笑顔で「縁起物ですのでどうぞ触ってください。」と言う。
私がボクシングをやっていてチャンピオンを目指していたら感動したかも知れないが、もう一度言う、私はボクシングをやっていない。
これが具志堅さんのチャンピオンベルトなら私も「おっ!」となったが約40年前のタイ人のチャンピオンベルトらしい。
「へー」となっただけだ。
笑顔で「腰に巻いて写真を撮ってもいいですよ。」と言う。
撮らなかった。