






ー 兵法の心の持ちようのこと
二天一流の我が兵法では、戦時の心の持ち方が平常時と違わないように戒めている。
平生であれ、戦闘の場であれ、少しも変わることなく、緊張することもなく緩ませることもなく、心眼を偏らないよう中心に据えてることで、体が変幻自在に即応できる心理状態を保てるように心掛けなければならない。
動作は静かでも心は停止させず、動作が早いときでも心は少しも急がず、心が体の動きに影響されないように、体は心の動きに影響されないようにするのである。
心の持ち方にはよく気を配り、体の動作にはいちいち気を奪われないようにし、心の充実に努め、と言っても、心に必要以上の余裕が生じるようにするのではない。
心の奥の信念はあくまでも強く、それでいながらその本心を相手に嗅ぎ取られないようにしなければならない。
心眼が濁ることのないように視界を広げ、知恵を研ぎ、天下国家の正義・不正義をよくわきまえ、物事の善悪を知り、様々な芸能や武芸に触れ、世間の人間に騙されることなどないようにして初めて、兵法の知恵を習得できるのである。
戦場という全てがあわただしい状況にあっても、我が兵法の道理をよくわきまえ、不動の平常心を保てるよう、絶えず工夫せよ。


