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五輪書 水の巻31

ー 喝咄ということ

「喝」も「咄」も、こちらが打ち込んで敵を追い詰める場面で、敵が打ち返して来たら、刀を下から敵を突き上げるようにして振り上げ、返す刀で敵を打ちのめすことを言う。

どちらも早い拍子で打つことに特徴があり、「カッ」と突き上げ、「トッ」という呼吸で打つのである。
喝咄の拍子は、どちらも打ち合いを行っているとよく出会うものだ。
喝咄のやり方は、敵を突く心持ちで切っ先を上げると同時に、一気に打ち込むのである。
その時のタイミングとリズムをよく稽古してつかみ、自分のものとせよ。

五輪書 水の巻30

ー 心を刺すということ

「心を刺す」とは、戦う場所の上方や左右が詰まっているという制約があって、刀を存分にふるって敵を斬り倒すことが難しい状況で「敵の心臓を突くこと」である。

敵が打ち込んでくる刀を交わす要領は、こちらの刀の峰を真っすぐ敵に向け、切っ先がぶれないように刀身をさっと引いて敵の胸を突くのだ。

この戦法は、(敵を何人も殺傷して)疲れてきた時とか、刀が斬れなくなってきた時などに用いると効果的である。

五輪書 水の巻29

ー 面を刺すということ

「面を刺す」は、敵との立ち合いで互角の勝負になったら、敵の顔を切っ先で突こうとするタイミングを常に考え続けることが肝要とする教えである。

敵の顔を突いてやろうとするこちらの気持ちが敵に伝わると、相手は顔や体をのけぞらせるものである。
敵がのけぞったら、勝つ方策はいくつもある。よく研究してもらいたい。

戦いの最中、敵にのけぞらせるような気配があるようなら、その時点ですでに勝利を得ているといえる。
であるから、「面を刺す」ということを忘れてはいけない。

我が二天一流の兵法の稽古をするときは、この有利な戦法に強くなるよう鍛錬しておくことだ。

五輪書 水の巻28

ー 三つの受けのこと

「三つの受け」とは、「敵が打ちかかってくる刀の受け方には三種類ある」ということだ。

受けの第一は、敵の懐に飛び込んでいく時、敵が刀を打ち出してきたら、こちらの刀で敵の目を突くようにしながら、相手の刀を右の方へはずして受けるのがコツである。

受けの第二は、「突き受け」といって、敵が打ち込んでくる刀を、敵の右目を突くようにして、敵の首を挟むようなつもりで、突きかかっていって受けることをいう。

受けの第三は、敵が打ってきたら、右手に持った長い方の刀は受ける事には関与させず、左手に持った短い方の刀の切っ先で敵の顔を突くようにして飛び込んでいくやり方である。

以上が、「三つの受け」である。
いずれの技も、左手をぐっと握り、その拳で敵の顔を突く感じだと思えばよい。

五輪書 水の巻27

ー 身の当たりということ

「身の当たり」とは、敵のギリギリの際まで入り込んで、身を挺して敵に当たることである。

自分の顔を少しそむけ気味にして、左肩を出し、敵の胸にぶつかっていく。
当たり加減は、全身に力をみなぎらせて強く当たること。
勢いをつけ、弾む感じで、思いっきり敵の懐深く入ることだ。
慣れた人がこれをやると、敵が二間も三間も吹っ飛ぶ程である。

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