払いの稽古の最中にある女性の方に 何か直すところありますか? と聞かれて困った。
その方はご自分の殺陣教室を持っており おそらく年齢も殺陣年数も私より上で 形も決まっているし力強さもあるし、完成されているので今から私が手を加えるところはない。
と、お伝えしたうえで しいて言うなら 『しなやかさ』とお伝え致しました。
刀を持って戦っていたのは男性なわけで、それを女性が行う事を考えると、私はしなやかさだと思います。
日本舞踊の女形は 男性が女性以上に女性らしくイメージの女性像を表現することに美しさがありますが、その逆と考えると女性が男性以上に男性らしくとなるが、しかしこれは難しい。
宝塚の舞台だとそれができるが、殺陣でそれをやるのは難しい。
それを考えるとやっぱり女性らしさを出した方がいいと思います。
例えば早乙女太一さんのようなしなやかさと言うと 見たことがないと言われた。
私が例えに困っていると、どこからかともなく『女子殺陣』と言う言葉が出てきた。
それだっ!!
女性がやるとこうなるのかという殺陣
しなやかで美しい女子殺陣
殺陣&剣術スクール
体験でいらした女性の方に胴斬りをやっていただくと、体もぶれないし振りも綺麗だし、もしかしてと思い 野球をやっていましたか? と聞くと
「ソフトボールをやっていました。」
合点!
野球をやっている方も良いのですがソフトだとなお良いですね。
野球だと小学生位にはダウンスイングを教える指導者も多いと思いますが徐々にレベルスイングになり、プロになるとアッパーだろうが種田選手のガニマタ打法だろうが打てれば何でもいいと思います。
それに対してソフトボールだと小学生から全日本の選手までダウンスイングかレベルスイングで、アッパースイングはほぼいないと思います。
水平に斬る胴斬りの軌道と一緒ですし、腰の回転を使う体の使い方も似ていますし、重心も真ん中ですし、相性が良いですね。
先日、旗本退屈男という60年程前の時代劇を見ているとノリツッコミをする場面があって、そんなに前からあったんだと驚きました。
いつも仲良しな二人。
本日も足運び、基本の斬り、立ち回りの稽古。
立ち回りに入りましたが、基本練習で綺麗に動けないと当然立ち回りでも綺麗に動けないのでまだまだ基本の形を綺麗にしていきたいと思います。
長くやっている方で「なかなか綺麗に動くことができない」と仰る方がいますが、こうすれば綺麗になるという形を知らないのだと思います。
私で言うと10年20年綺麗な字を書こうと意識していますが、いまだに納得のいく綺麗な字が書けないのは決まった形を知らないからだと思います。
書道や日ペンの美子ちゃんを1年でも一生懸命習えば形を覚えて綺麗な字が書けるようになると思います。
頭、肩、お腹、腰、脚、全て決まった位置があり、自分が動きやすい形と違いますのでそれを体に覚えさせるまでが大変ですが、体に入ると違和感がなくなり、見る側からも綺麗で見やすい動きになっています。
バレエを観るとよく分かるのですが、体に無理な動きが多いのですが見る側には綺麗で柔らかい動きに見えます。
しかし少しでも人間の素の動きが出てしまいますと一瞬で観ている側が現実に戻されてしまいます。
つまり、エンターテイメントとして魅せるものは その種目にあった動きができるかということが大切になります。
特に難しいのは脚で、どうしても後ろ膝が曲がり踵が上がってしまいます。
膝を伸ばしたり踵を付けたりするのは不自然に思うかもしれませんが、実は日本の武道の動きで特に相撲と空手では当たり前の動きになっています。
例えば壁を押してみると分かると思うのですが、踵を付けて後ろ膝を伸ばして更に肘を伸ばし 踵で押すようにした方が力が入るのが分かると思います。
踵を付けると動きにくいから俺は爪先で動くという大関が一人いました。
毎週水曜日 12時半~14時。
世田谷総合運動場。
初めての方 お気軽にご参加ください。
水曜殺陣クラス
本日は祝日ということもあって水曜日の昼間にも関わらずたくさんの方がいらっしゃいました。
最初は駅のバス停も分かりにくいかもしれませんので迷いませんようお気を付けください。
先日 久しぶり『払い』をやりましたら基本の斬り方にもいい影響がありました。
抜きを意識的に使ってもっともっと綺麗に魅せる動きを作っていこうと思います。
形の美しさを重視する動きや考え方を自然に受け継いできましたが、脱力を使って更なる綺麗さを作り上げたいと思います。
プラス 武術的な悟られない動きとスポーツ的な瞬発力を合わせて、観て面白い殺陣の完成を目指し、時代殺陣でも現代的殺陣でも使い分けられるようにしていこうと思います。
毎週水曜日 12時半から14時
世田谷総合運動場
お気軽にお越しください。