目くそ鼻くそ


十数年ぶりに友人から連絡があって久し振りに会った。

最後に会ったのがどこかのバーで、友人が店員に横柄な感じだったので、私が「そんな態度はやめろ」というような事を言うと、友人が「お金を払っているんだから」と言ってきて、私も「お金を払ってまで飲ませてもらってるんだから」とお互い引かず口論になり、そのままお互い連絡を取らず十数年経っていた。

連絡が来て会いに行く前、
以前は性格よりも若さが顔に出て可愛かったが、今はきっと性格が顔に出て鬼ババみたいな顔になっているんだろうなと思っていた。

そして当日、椅子に座ってる彼女を見つけた。

私が近づくと彼女は気付いて顔を上げた。

あまり変わってない事にちょっと驚いた。

話してみると、口調は変わらないが中身が大分まともになっている。

環境が変わったお陰で大分まともな人間になれたようだ。

暫くお互いの近況報告等をして、私が先生を育てる為の講座をしているという話をすると、

「あの人見知りで内弁慶のあゆむ君が?(笑)」

と言われた。

これだから昔の知り合いには会いたくない。

もう人見知りで内弁慶のあゆむ君はどこにもいないのだ。

今はどこへ行っても「わたしが大城だけど何か?」って感じなのだ。

講座内容にある、人の魅力についての話になった。

「魅力的な人とは、その団体の全体の事を考えることができて、その場にいる皆を明るい気持ちにする事ができる人」だと言った。

私は自分の教室も持っているし、現在、英会話教室、礼法教室、弓道教室、殺陣教室にも通っている。

過去にも様々な団体に所属していた。

魅力的な人は共通して皆そうなのだ。

私がそう言うと、

彼女は、

「あんたは魅力的で人気があったが、性格はかなり自己中心的だった。」

と言った。

「あまり喋らなかったから皆気付いていなかっただけ。」

と言った。

十数年前の彼女はどうしようもない我が儘な性格で、それにも関わらず私は色々付き合ってあげていて、それが今はまともになって良かったと上から目線でいたのだが、向こうも私に対して同じように思っていたようだ。

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