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五輪書 水の巻13

ー有構無構の教えのこと

「有構無構」とは、「構えは、あってないようなもの」という意味である。
そうは言うものの、実際には五方向のいずれかの位置に刀を置くのだから、構えているとも言える。
敵の出方、戦う場所、戦況の変化に応じて、相手を斬り倒しやすいように構えることが重要である。
上段に構えても、戦闘状況が変わって構える位置が少し下がれば中段になるし、左右の構えも中段や下段となる。
そんなわけで我が二天一流の兵法では、「構えはあって、構えは無し」と言うのである。

いずれにしろ、ひとたび刀を手に取るからには、敵を斬るということが目的となる。
戦いの中で、敵が斬りつけてくる刀を受ける、叩く、接触するといった個々の動きにその都度心を惑わされていると、敵を叩き斬ろうとする気持ちが希薄になってしまう。
そうした動きは、全て敵を斬るきっかけであると考えて戦わないと勝てない。
大きな合戦における軍勢の布陣も構えである。どんな布陣も合戦で勝利するための手だてなのだ。

心すべきは、「居つくなということである。」

五輪書 水の巻12

ー 表第五の次第のこと

「第五の構え」の心得は、刀を右脇に横向きに構え、敵が打ちかかってくるところを、下から斜め上方に振り上げて、真っすぐに斬り下げるのである。
これも、敵の太刀筋をよく知ろうとして行う手だ。
この構えで振り慣れたら、重い刀でも自由に振ることができるようになる。
以上の「五つの表」は、こまごまと説明すべきものではない。

我が二天一流の刀の使い方を一通り理解し、だいたいの拍子も覚え、敵の太刀筋を見分けられるようにするには、まずこの五つの基本の技を日頃から磨くことが肝要だ。
敵との実戦でも、この太刀筋に熟練して敵の心理をよく読み、様々な拍子が察知できれば、いかようにも勝てるようになる。よく研究せよ。

五輪書 水の巻11

ー 表第四の次第のこと

「第四の構え」は、左脇に刀を横向きに構えて、打ちかかってくる敵の手を下からはじき返すように打つのが特徴である。
下から叩いたこちらの刀を敵が打ち落とそうとしたら、その手をはじき返すような感じで敵の刀を受け、自分の肩の方向へ斜めに斬りかかることだ。
こうした流れるような一連の動きが、我が二天一流の太刀遣いなのである。
同様に、敵が打ちかかってきたときも、その太刀筋を受けて勝つことができる。
じっくりと吟味するように。

五輪書 水の巻10

ー 表題三の次第のこと

「第三の構え」は、刀を下段にひっさげた感じに持ち、敵が打ちかかってくる刹那、下からその手を叩くのである。
すると、敵がまたそれを打ち落とそうと狙ってくるので、叩いた個所はひとまずおいておき、そこよりももっと効果的と思える次の個所を狙い打ち、さらに二の腕を横に斬りにいくのである。
そして敵が打ちかかってくるところを、下段で一気に打ちとめるのだ。

下段の構えは、太刀筋の修練を積んでいくと、初心の頃にも熟達してからも、よく出会うものである。
実際に刀をとっての鍛錬あるのみだ。

五輪書 水の巻9

ー 表題二の次第のこと

「第二の構え」は、刀を上段に構え、敵が打ちかかってくるところを、左右の刀で同時に打つ手法である。
もし打ち外してしまったら、刀はそのままにしておき、敵が再び打ちかかってきたら、下からすくい上げて打つのである。
もう一度打つ場合も、同じ要領だ。

この「表」の基本型には、様々な心の持ち方や色々な拍子(呼吸、リズム、タイミング)が含まれている。
それらを理解し、我が二天一流の鍛錬を積めば、「五つの太刀筋」を熟知することができ、どのようにも勝てるようになるはずだ。

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