あの「水戸黄門」の監督さんがワークショップを開催している事を知って、ずっと行ってみたいと思っていたもののいつも土日開催のため行けなかったのだが、一年待って遂に土曜日に休みの日ができたので行ってきました。
役者の為のワークショップなのですが、実際にカメラを撮りながら行うということなので、監督がどんなカメラワークを使うのかを目の前で見たくて申し込みました。
当日、稽古場に入ると目の前に監督がいたのですぐに挨拶をして、
「カメラワークが見たくて申し込んだのでお芝居は遠慮させていただいてもよろしいでしょうか?」
と言うと了解してくれましたのでホッとしました。
駄目だと言われたら帰るつもりでいました。
暫くするとワークショップの主催者らしき方が入って来られたので、同じように芝居はやらないことを伝えると、
「大丈夫!やってみましょう!!」
何の根拠もなく、何の理解もない大丈夫。
「私は役者じゃないので芝居はできないです。」
「大丈夫! やってみましょう!!」
「やるつもりも無かったので台本も覚えてないです。」
「大丈夫! やってみましょう!!」
「カメラワークを勉強したいのですが・・」
「大丈夫! やってみましょう!!」
クルクルパーかこいつは。と思いました。
しかしその勢いに負けて、私もやってみることになりました。
板前さんがまな板の上で魚をさばきながら女将と会話をするシーン。
最初に読み合わせをしてすぐに男女二人前に出て演技スタート。
それにしても監督かなり口が悪い。
芝居の現場では普通の事かも知れないが、今の私の日常には無いことなので結構びっくりした。
みんな心を折られて舞台を降りていく。
「その人格を変えんとどうにもならん。」
というようなことを言った。
芝居ではなく本人の人格を完全否定した。
そして私の番がきた。
とりあえず読み合わせで必死に台詞を覚えただけだ。
何を言われるか分からない。
もうどうにでもなってくれ。
まな板の上のアユだ。
監督のスタートの合図で板前になり、ただ一生懸命台詞を言った。
最後まで何とかやりきり、カット!の声がかかった。
さあ罵声を浴びせてくれ!と思ったが、酷いことを言われることもなかった。
これじゃブログのネタにならないじゃないか。
それからひたすら前に出て演技をして監督がダメ出しをしていくという流れで約5時間の稽古。
多分みんな心の修業。
やっと終わって皆が着替えているなか、私は着物で来ていたので一人先に稽古場を後にすると、外に監督がいて何故か飲みに誘われた。
よく分からない流れであの水戸黄門の監督とご一緒できることになった。
今回は面白い展開とは違うが、私にとっては思いがけないハッピーな展開になった。
ビエントさんで散髪。
の帰り道、駅まで歩いて改札の前でスイカの入っているカードケースを出そうとしたが無い。
鞄の中も道衣の中も全て探したけど無い。
クレジットカードも様々なカードも入っている。
落ち着いて探せば結局ポケットに入っていたというパターンだろうと思って落ち着いて探したが見つからない。
焦ってきた。
ビエントさんでクレジットカードを使ったので置き忘れたのかもしれない。
でも店を出たときにカードケースを持っていた記憶がある。
道に落としたに違いない。
あってくれと祈りながらが再び店の前まで戻ってきたが無い。
もしかして店に置き忘れたのかもしれないと思って確認したがやっぱり無い。
困った。
見落としたのかも知れないと思ってもう一度駅まで歩いていると、自転車に乗った女の人が私の前に止まり「すみません」と言った。
もしかしてカードケースを拾ってくれたのかと期待しながら「はい!」と言うと
「もしかして田中さんですか?」
違うわ!
何でこんな時に人違いされるんだ。
しかも田中さんて、
どう見ても私は田中さんに見えないだろ!
がっかりしながら歩いているとさっきの自転車レディーが再び私の前に止まった。
「大城さんですか?」
今度は私の名前を言った。
もしかしてやっぱりカードケースを拾ってくれたのか!?
「大城です!」
「カードケースを落としませんでしたか?」
私のカードケースを手に持っている!
良かった。焦った。助かった。
お礼を言って受け取った。
それは良かったが何で最初田中さんと言ったのだろうか?と思っていると、
「さっきまで田中さんと喋っていたのでつい田中さんて言ってしまったんです(笑)」
そんな事ってあるのか!
私は生まれて一度も無いけどそれ一般的に結構ある事なのか!
いずれにしても良かったと思ってお礼を言っていると、実は拾ってくれたのはその方ではなくて、タイ人だったようです。
タイ人が拾ってくれて、日本語もあまり話せないし、これから仕事に行くとこだったのでたまたま通りがかったその方へ託したようです。
それならタイ人にもお礼を言わなければいけないと思ったのだが、その方もたまたま通りがかっただけなので連絡先も分からないようでした。
どうしようもないのでその場をあとにして、何かお礼ができないだろうかと考えていると、タイ料理を食べに行ってそれをお礼としようと思った。
因みに私はアジア料理があまり好きではない。辛いから。
ネットでタイ料理を調べたら近くにある。
店に入ると男性の店員さんが出迎えてくれた。
無意識にタイ人が出迎えてくれると思っていたのだろう日本人だったのでちょっとびっくりした。
席に着くと奥に女の人が見える。タイ人ぽい。
日本人だった。
店員さんは二人だけでタイ人はいないようだ。
お勧めのガパオライスを辛さ大分控え目にして頼んだ。
頼んで、一人でふーっと落ち着こうとしたら店員さんがまだいる。
?と店員さんを見ると
「何している人なんですか?」
と店員さんに言われた。
そうか、私は普通にしていたが道衣を着ているので変わった人に見えるのか。と思って
「さっきまでそこの体育館で外国人に刀を教えていたんです。」と言って一人で落ち着く雰囲気にしたが、まだいる。
かといって店員さんからは何も言わない。
黙って私が次の言葉を発するのを待っている。
あまり味わったことのない感じだ。
私は話をする気はない。
が、負けてしまって、実はと、ここに来た経緯を全部話した。
全部話すと笑顔で戻っていった。
暫くするとガパオライスが運ばれてきた。
食べると、美味しい。本当に。
アジア料理は辛くしなければ全て美味しいのではないか。
暫くするとまた店員さんが来た。
「どうですか?」
「美味しいですね。」
行ってくれない。
何も言わない。
負けてしまって
「この鶏肉柔らかくて弾力があって辛さも丁度良くて凄く美味しいです。」
「蒸しているのでこうなるんです。」
と言うと笑顔で戻っていった。
食べ終わってお会計を済ませて店を出て、店の前に止めていた自転車に乗ろうとすると、さっきの店員さんが店の前にいた。
ビクッとした。
何も言わない。
負けてしまって
私は鞄からカードケースを取り出して
「これを落として拾ってもらったんです。」と店員さんに見せた。
見せてどうするんだと思いながら。
「良かったですね。」と言ったあと今度は戻らない。
あの変な感じが癖になった。
という話。
byポーモンコン
一汁三菜の稽古。
この稽古は食事の作法を学ぶのにとても良いのですが、なんせ足がきつい。
お客さん役になると一時間正座しっぱなし。
今回も一人お客さん役を決めることになって、先生が「お客さん役をなさりたい方はいらっしゃいますか?」と言うが勿論誰もいない。
「目の前で全部見れますので一番勉強になりますよ。」と言うがやはり誰も手を上げない。
勉強より足だ。
シーンとしているので「私がやります!」とノリ良く手を上げた。
そう、ダチョウ倶楽部を始めるように。
さあ誰か乗ってきてくれと思ったが、勿論そんな人はいない。
というわけで私がお客さん役に。
因みに順番を言うと、お茶、お菓子、吸い物善(お酒、お酒の肴)、本膳、二の膳、湯筒、お菓子、お茶の順番となります。
早速お客さん役になって正座をして時計を見ると7時5分。
8時に稽古が終るので55分間とにかくギブアップせずに最後までやろうと覚悟を決めた。
お茶が運ばれてきて飲んだ振り、お菓子が運ばれてきて食べた振りをする。
稽古なので中身はない。
二の膳が運ばれてきて時計を見ると30分位経過している。
順調に進んで足も大丈夫。
最後まで問題なさそうだと思ったが、ここから予想外の展開が始まった。
いつもご飯のお代わりもするのだが、新しく入ってずっと見学していた人が今日初めて実際にやってみることになった。
お代わりの入れ方は元々難しいのだが、この人全然できない。
私がブログで見取り稽古の話をしていたにもかかわらず全然見取れていない。
1分で終るところが10分取った。
気持ちの動揺もあったのか一気に足にきた。
それでも何とかご飯のお代わりも終わって次は湯筒でその次はお菓子でお茶で終わりと思ったら、もう一人の見学の人に「汁のお代わりをやってみますか?」と言う。
ノーと言ってくれと思ったが、勿論2つ返事。
その人も同じ。
私のブログを全然見ていない。
10分経過。
久し振りに脂汗が出てきた。
どうにか足の痛みを和らげようと微妙に持ち上げたりずらしたり伸ばしたりするが痛みと脂汗が止まらない。
それでもお味噌汁を飲む演技をしなければならない。
演技に集中できなくて監督にダメ出しされる。
そんな状況なのだが、食べている振りをしていたからかお腹が空いてきた。
足が痛くて脂汗を出しながらお腹も空いた。
初めての経験というか状況というか感覚というか。
この感情をカプセルに詰めて保存したい。
カプセルを渡してこの感情を誰かに体験してほしい。
もうとっくに約束の8時は過ぎている。
8時20分になってお茶を飲みほして、ようやく食事が終わった。
そして座布団から下りてお辞儀をして立ち上がる。
前回のお客さんは座布団から1歩も動けず苦痛の表情を浮かべていた。
それを見て皆で笑っていた。
今回は私の番だ。
足の傷みは凄いが動けそうな感覚がある。
座布団から下りてお辞儀をして立ち上がると左足が震えて力が入らなくなったので慌てて右足に力を入れると右足も震えて力が入らなくなった。
再び左足に力を入れると震えもおさまっていてちゃんと立てた。
一瞬のことだったので誰も気が付かなかったようですが、昔テレビで見たお葬式で引っくり返る状態が分かった。
立ち上がったあとに急に足の力が抜ける。
笑いは好きだが今回は笑いを取らずに良かった。
食事の作法を全て目の前で見れたが、あまり記憶がない。
午後から時間が空いたので、近くの整体店へ行ってきた。
「左腰が軽く痛いのですが全体的に見てもらえますか」と言って体をチェックしてもらうと、「あんた、足首と肩と首も良くないね」と、気になっているが治療を受けるほどではない場所まで言い当てた。
「鼻も少し曲がっているね」と言われた。
見ため的には自分でも分からないのだが、3月に花粉症のチェックで病院に行ったときに、医者が私の鼻の中を見て「少し曲がっていますね。」と言うので「治せますか?」と尋ねたら「手術しないと無理ですね。」と言われた。
ということがあって、
整体師さんに「治せますか?」と尋ねたら「治せるよ」と軽く答えた。
で、この人の治療を受けると今の時点では色々治っている。
いい人と出会った。
ありがとうございます。
因みに花粉症のチェックで血液検査をしたら女性と判断された。